願い 【詩】

浅草のロウザイク
海老天のコロモのつぶやき
華々しく飾られるのを 待つ毎日
「その時ぁ 晴れがいいナァ」

静かで地味ぃな商店街の片すみの
定食屋に飾られるのがオチ
少し見られ 通り過ぎて
そのような 日々

カッパ橋のナイフやフォークが 輝くのは
希望を歌い上げているのであろうか?
俺は知らない 誰も 知らない

風鈴が鳴き続くのは
涼しさを尽くすためのものか?
俺は 知らない 誰も知らない

“願いは 風の前の チリに同じ”
さんざん腹いっぱいになっても 苦しむ
でも 願いを捨て去ろうにも
捨てきれないから
頭 いっぱい

高速道を“願い”が
ビュンビュン飛び交ってばかりだから
浅草のロウザイク
海老天のコロモのつぶやきなんぞ
誰も耳を貸す ヒマがない