夏のソナタ 【詩】
冬でもないのにソナタ
冬ではないからこそ ソナタ
真夏の空の下でうごめくのは
嫉妬だの 未練だの
時代遅れだ、とくくられそうな感情がはやる
ハチドリが妙なはばたきをする
「今(コン)様、お別れ申し上げます」
の言葉を紙屑のようにクシャクシャに何度も何度も丸めて
イタズラ好きの男が
魚の骨のように喉に刺さる
影を引きずる女は
太陽が明るければ明るい程に
当たり前の日常に疲れる
振り返ってみたら
とってもキレイな街の明かりに
何の意味もないのに 問い詰められているみたいで…
「今 私は たったひとり
風に転がされているみたいだ
今 私は たったひとりだけで
月に見下されているみたいだ…」
世界の中心で愛を叫ばざるをえない状況なんてぇのは サテ
俺のジンセイの中でどれだけあったっけ、だなんて思い起こして
本気で吐きそうになったり晴れやかぁ♪になったりで
「イマ ワタシハ シアワセ デスカ?」
と斜め向かいの自分が そこにいる
自分に問い掛けるものの砂利道を裸足で走りたくもなる境遇が
明日にでものしかかるかもしれない、と、無責任にも口走ってしまう
漠然と襲う胸と腕の熱さ
思い出が経験になって時が経って回り回って360度頭をひねったなら
誰かが曲がり角で待ち受けているだろうヨ
情熱ばかりじゃ身がもたないから ソナタ
冬でもないのにソナタ
冬ではないからこそ ソナタ
季節外れのクリスマスが また続く
季節外れのクリスマスが まだまだ続く