カフェモカ片手に(詩)

嫌いになれない人
好きになれないヒト
枯れちゃったヒト
手作りの造花を作り続ける人

シミが出来た
カーキのズボンに
心臓のすぐ近くに
どうでもいい事に 振り回されそうだ

傷ならまだましなのかも
詩人きどりで暗い顔をして
心で回復を
待ちながら浮かれてみたりして

洗って落ちるものか
ビタミンならどうか
友達の視線に
どう映るのかと こんがらがりながら

歩調を合わせ
音楽の話をしてくれたK
かといって 上っ面を撫でるたぐいのものではなく
足取り軽く 腹を割る

臆病にも薄情にも
なる必要なんて 何処にもないのに
肩がこらない 体質なのに
ちょっとしたねぎらいが さっき云えたかどうか

癒えない
みなしごの神経衰弱
クィーンを誰かに隠されたんじゃないか、と
うっかり口走り

フォローミィを叫ばないジャンヌ・ダルク
リングに立つ前の瞳を 覗いてしまった
何度か軽く 話す間柄だった
予定時間を終えると
黒の真珠を 潤ませていた

ベストアクトは 決して派手ではなく しらける訳もなく
迷子にも似た少女の瞳は
言葉を浴び 黒い真珠になった

お世話になってる人
だれからも好かれる人
それが重荷になった時〜
そんな歌を今 思い出しながら

気晴らしが出来た
換気不足の頭に
地団駄踏む心臓に
遠回しの 温もりが降りる