火星は争いの星(詩)

階段が外側にあるマンションから
声にならない叫びと 鈍い肉の音

ベシ ベシ ベシ

知らない者同士との口論
駅のホームで パチンコ屋の前で
酔ってはいない クソ真面目
ひたむきさの副作用

何を守ろう 何を正そう
巻き尺やらソロバンが
頭ん中でカラカラ唸るから
ネオンがしらけて見えるのも当然
あんなに色とりどりの光が
街を飾るのを あきらめてる

紋切り 辻切りの日常
口汚い週刊誌の中吊りにうなづき
新聞を鵜呑みにし
ご近所を横目で覗き
誰かの言葉に振り回され
歯ぎしりを繰り返す夜が続く

戦争反対って 言ってみて下さい

はぁ

24時間明るいマガジンラック
グラビアアイドルの曲線が語るのは
「少しは笑いなさいな」の催促
こちらは表紙だけを眺めお腹いっぱい
奥へ奥へと 涼を求めるも
最近のかき氷ときたら
気取ってばかりで サラッと溶けてはくれない
大粒の氷を噛み砕き
さぁジャンジャンバリバリと 心ゆくまで ネ って?

あたりまえのひんやりが
見つかったり 見失ったり
星との距離を背に ひとり