色のない世界(詩)

肩と肩がぶつかり 頭を下げ合う道すがら

いじめられた記憶も
いじめた記憶も
ゴミ箱にほおり
トイレの中で 溜め息をつく

自称プチブサイクと
口走りながら
人気のない場所で
美を刻み続けてる

彼女は色のない世界に住んでいる

場合によっては
爆笑の渦に従い
大阪の区役所は
上あごに寒気がしたが

「あの娘 嫌いではない
ちょっと賢そうで ちょっとエッチっぽくって」
未承諾の誘いが
パレードのように連なる

広告と一緒にくしゃくしゃに丸める
事業者すら 受けいれを拒否する
バトラーと名乗るヤツの
実家で母親が泣いている

私は名もない紳士
ここ数年 人を罵った事がない
君が彼女に声をかけてあげて
ここもまんざらじゃないよ、と

彼女は色のない世界に住んでいる

肩と肩がぶつかり 頭を下げ合う道すがら